LDKの照明多すぎ問題
すっかり秋ですね。夜は寒いです。
陽も落ちるのが早くなり、18時を過ぎると辺りは薄暮の世界。
私はこの時間帯がとても好きです。シルエットで構成される景色に情緒を感じます。
日が暮れると当然屋内では照明を点けますが、今回はLDKの照明多すぎ問題にメスをいれます。
例えばある設計案件について、照明メーカーさんに「この案件の照明計画と見積もりをくださーい」と、配灯の希望や指示をせず図面だけ送るとします。
するとほぼ間違いなく、18帖くらいのLDKに8~10灯くらいダウンライトが配置されてきます。
これは、、正直多すぎますよね。
照明計画について何の計画もしていないと、ひとまず明るくしておきましょうという事で沢山照明器具が配置されます。
そりゃ照明メーカーさんも沢山売れた方がいいでしょうから、これは仕方のないことです。
しかし、きちんと『何をどう照らすか』という意図があればこのような事にはならないはずです。
サムネイル画像にアップした案件ですが、なんと18帖のLDKにダウンライトは4箇所だけです。
・キッチンの手元
・ダイニングテーブルの中心
・ソファーに座って本を読むときの手元の上
・子供たちが遊ぶ場所
と、照らしたいところを明確にしています。
写真では消灯していますが、部屋全体に明かりが欲しい時は天井際に仕込んだ間接照明をつけます。
明かりは明るければ明るいほど良いというものではないと思います。
その時必要な明かりを得られれば、それで用は足りるのではないでしょうか。
LED照明とはいえいつかは交換時期がきますし、数が多すぎるとメンテナンスコストもかかりますしね。
過ぎたるは猶及ばざるが如し。
最後に小ネタをひとつ。ポールヘニングセンという照明デザイナーが提唱した「照明三原則」というものがあります。
・グレア(まぶしさ)を避けること
・必要な場所に適切な光を配置すること
・用途に応じた、適切な色の光を用いること。
照明計画を行うときは、是非この事を思い出してみてください。